- 「そもそもセルフねんねって何??」
- 「セルフねんねって本当に必要なの?」
- 「セルフねんねのデメリットを知りたい!」
最近「セルフねんね」って言葉、よく耳にしますよね。
赤ちゃんの寝かしつけをラクにしたいけど、「セルフねんねってなんだか不安だな・・・」と思っていませんか?
泣いている赤ちゃんをあえて放っておくことに、罪悪感を覚えるママはとっても多いんです。
結論、赤ちゃんのセルフねんねには、研究でも認められた大きなメリットがあります!
ただし、睡眠環境をしっかりととのえておかないと取り返しのつかない事故につながる可能性もあるので十分な注意が必要です。
本文を読んで、不安を減らしながら進めていきましょう。
セルフねんねとは?(勘違い多数!)
セルフねんねとは、赤ちゃんが一人で自然に眠れるようになることです。
私も含め勘違いしてる人が多いようですが、睡眠専門家の三橋かなさんによると、セルフねんねは下記のように定義されています:
我が子が起きている状態で「おやすみ」の挨拶をして、親が寝室から退出しても子ども自身で眠りにつけること
つまり、赤ちゃんが泣いていようがいまいが関係なく、夜中に泣いてしまってもその後自力でまた入眠できればセルフねんねできる!ということになります。
「赤ちゃんがひとりで眠りにつける」というところがポイントです。なので、「同じ部屋にいて赤ちゃん泣かずに寝られた」というケースは、セルフねんねとは言いませんよ。

うちは間取り的に「親子別室で寝る」ことができませんでした。
| セルフねんね | セルフねんねではない |
|---|---|
| 赤ちゃんをベッドに置いて寝室から出ても赤ちゃんは勝手に寝られる | 赤ちゃんが眠るまで胸をトントンする |
| 夜泣きしてもすぐにひとりで再び寝る | 添い寝で寝たふりして赤ちゃんが寝るのを待つ |
寝かしつけ方法のタイプと特徴
セルフねんねと他の寝かしつけ方法を比べてみると、このようなちがいがあります。
- 抱っこで寝かす:寝かしつけに時間がかかる
- 添い寝で寝かす:ママの動きに敏感で赤ちゃんが起きやすい
- セルフねんね:赤ちゃん自身で眠るのでママの負担がほとんどない
| 寝かしつけ方法 | 特徴 | ママの負担 |
|---|---|---|
| 抱っこ | 寝かせるのに時間が必要 | 重い・体力がいる |
| 添い寝 | 一緒に横になる | 動きの制限・寝落ちリスクあり |
| セルフねんね | 赤ちゃんが自力で寝る | ほぼなし |
抱っこや添い寝での寝かしつけは、どうしてもママが何かを我慢することになりますが、セルフねんねにはママへの負担がほとんどありません。
娘が赤ちゃんの頃、私は「この子は抱っこでしか寝ない」と思い込んでいました!こういう思い込みは今すぐ捨てましょう。笑
セルフねんねをする理由をはっきりさせよう
セルフねんねが本当に必要かどうか、考えてみましょう。
理由はなんであれ、セルフねんねは「現状を変えたい人にとっての手段」のひとつですよ。
なので、下記のような人にとっては赤ちゃんをセルフねんねさせる必要はないんです!
- 赤ちゃんの寝かしつけが苦ではない
- 赤ちゃんが見えないと心配だから赤ちゃんと同じ部屋で寝たい
- 赤ちゃんの寝ぐずりや夜泣きがほとんどない
- 親子ともども睡眠不足ではない
- 自分の時間はわりと確保できている
- 寝るときぐらいは家族みんな一緒がいい
このように、今の寝かせ方に満足しているならそのままでいいのです。もし現状を変えたくてセルフねんねを取り入れるのであれば、セルフねんねのデメリットはしっかりおさえておいてくださいね。
ネントレなくしてセルフねんねはむずかしい
そうです、お察しのとおり、セルフねんねはある日突然できるようになるものではございません!ネントレをして少しずつできるようになってマスターするものです。
なぜなら、赤ちゃんはひとりで眠る方法を知らないからです。なので、あなたが教えていってあげるしか方法はないんですよ。
「セルフねんねのためにこれだけはやっておこう」の見出しのところにネントレの種類のリストをのせているのでぜひ参考にしてみてください!
セルフねんねのデメリット
- 緊急時の対応が遅れる
- ママの心が痛む
- 赤ちゃんの不安レベルが上がることもある
緊急時の対応が遅れる
誰もいない部屋で赤ちゃんをセルフねんねさせることには、緊急時の対応が遅れるなどのリスクがあることを覚えておきましょう。
Having a baby sleep in a separate room increases the risk of Sudden Infant Death Syndrome (SIDS) and makes it more difficult to respond quickly to their needs.
出典:Basis (Baby sleep info source)
親とは別の部屋で赤ちゃんを寝かせることは、SIDSのリスクを上げてしまい、緊急を要する対応も遅らせてしまう。(訳byドキンコ)
1歳以下の赤ちゃんにはこのSIDSのリスクが高いとされていますが、SIDSの原因は解明されていません。
ニューヨークの公衆衛生当局によると、SIDS以外で乳児の睡眠時の死亡事故がいちばん多い時期は生後2〜4か月だそうです。なので、この時期はとくに細心の注意が必要です。
原因不明のものは防ぎようがありませんが、防げる事故は避けなければいけません。セルフねんねは、必ず睡眠環境をしっかりととのえてからにしましょう!

ママの心が痛む
どんなネントレを取り入れるときでも、ママにとって大きなネックは「赤ちゃんのギャン泣きに耐えられるか」ではないでしょうか。
泣いている赤ちゃんを、平気で部屋に一人ぽっちにできるママはそうそういないと思います!
ジーナ式ネントレを部分的に取り入れた私も、当初娘のギャン泣きで心が折れそうでした・・・
ムリをしすぎず、合わないと思ったらすぐにやり方を見直す柔軟さも大切ですよ。

私にとっては毎日の寝かしつけが辛すぎて、現状をどうしても変えたかったこともあり強行突破でした!
赤ちゃんの不安レベルが上がることもある
セルフねんねができるようになるまでは、赤ちゃんはたくさん泣くことが予想されます。
安心感が足りず泣き続けてしまうことがありますし、泣き続けることで不安が強くなることもあります。
お母さんのお腹の中にいたころは安心な環境に包まれていますが、生まれたばかりの赤ちゃんはベッドで寝る方法なんて知らないんですよね。
赤ちゃんの生まれ持った性格にもよりますが、ママと離れると不安でよく泣いちゃう赤ちゃんにはセルフねんねはハードルが高いかもしれません。
セルフねんねのメリット
- 赤ちゃんがぐっすり眠りやすい
- 睡眠不足が解消される
- 夫婦の時間を作れる
- 赤ちゃんの異変に気づきやすい
赤ちゃんがぐっすり眠りやすい
意外かもしれませんが、赤ちゃんはセルフねんねの方がぐっすり眠れる傾向があるそうです。
セルフねんねができれば、夜中に目覚めてしまってもまたすぐにひとりで入眠できるので、必然的に眠る時間が長くなるということですね。
実際に、「両親と同じ部屋で寝ている生後4か月以降の赤ちゃんは、セルフねんねしている赤ちゃんよりも夜の睡眠時間がみじかい」というような研究結果が2017年に出ているそうですよ。(参照:npr『Babies Sleep Better In Their Own Rooms After 4 Months, Study Finds』)
赤ちゃんの夜泣きが多くて親子で睡眠不足なら、セルフねんねを取り入れてみると解決の糸口が見つかるかもしれませんね。

睡眠不足が解消される
赤ちゃんがセルフねんねできるようになれば、あなたは「おやすみぃ」と言ってベッドに寝かるだけなんです。
赤ちゃんの寝ぐずりや夜泣きがつづくのであれば、セルフねんねによって赤ちゃんの夜間の睡眠時間が長くなることが期待できます。
乳児期は夜間の授乳がある程度必要ですが、授乳時間以外で夜泣きしてもまたひとりで入眠できるようになれば、極端な睡眠不足になることはありませんよ。
夫婦の時間を作れる
赤ちゃんの夜泣きが連日ひどいと、必ずと言っていいほど夜間以外の生活にひずみが出てしまいます。
夜泣き問題は、ママの元気を奪います!第二子以降を望んでいるご夫婦にとっては体力的に難しくなるし、旦那様の帰宅が遅いご家庭ならなおさら夫婦で会話する時間すらない・・・なんて状況になりがちです!
生理的欲求ではない理由で夜泣きがひどくてお困りなら、セルフねんねを取り入れてみる価値はあるかもしれませんよ。
- お腹がすいた
- ねむい
- オムツが汚れて気持ちわるい
- 暑い、寒い
赤ちゃんの異変に気づきやすい
セルフねんねを取り入れるためには、1日のなかの行動をある程度ルーティーン化するのが望ましいのです。
そうすることで、いつもはぐっすり寝ていた赤ちゃんがいつもと違う時間に泣いていたら、何か異変があるかもしれないと気づきやすくなるんです。
とくに、ジーナ式育児法(いわゆるジーナ式ネントレ)は、ルールがきびしい反面赤ちゃんの泣いている理由が1日を通してわかりやすいのでオススメですよ◎(関連記事:ジーナ式育児法のネントレのやり方は?)
セルフねんねが心配なときの解決策
たとえ薄い壁一枚であっても赤ちゃんの姿が見えない状況で寝るのは心配でたまりませんよね!
そんなときは、「ベビーモニターーー!」(某アニメみたいですが。笑)
ベビーモニターがあれば、「赤ちゃんの部屋をのぞいてライトが差し込んで起こしてしまう」や「真っ暗で赤ちゃんの様子がわからない!」なんてことは避けられます。
最近はかなり性能のいいベビーモニターがたくさんあるんです!
これで赤ちゃんと別々の部屋で寝ることへのママの不安が減るなら、お高い買い物ではないと思いますよ。
セルフねんねのためにこれだけはやっておこう
- 安心安全な睡眠環境をととのえる
- 寝る前ルーティーンを決める
- なるべく毎朝おなじ時間に起きる
これらが、セルフねんねの成功率をグッと上げるための準備です。
セルフねんねをマスターするためには、何らかのネントレが必要なのはもうお分かりですよね。
どのネントレ方法を取り入れるか、取り入れられる状況かは人それぞれなので、あなたやあなたの赤ちゃんに合うものを選んでみましょう。代表的なネントレをのせておきますね。
| 特徴 | 向いているママのタイプ | |
| ジーナ式ネントレ | 1日をとおして時間管理 | 厳密な時間管理が得意 |
| トレイシー式ネントレ | 「EASY」の流れをくり返す | 時間は気にせず行動を重視する |
| ゆるゆるネントレ | 寝るまえだけの時間集中型トレーニング | とにかくネントレに時間はかけたくない・かける時間がない |
ネントレ方法にかかわらず、以下のことだけはやっておくことを経験上オススメします:
安心安全な睡眠環境をととのえる
赤ちゃんのために安心安全な睡眠環境を作ってあげることは、セルフねんね成功のポイントです。
たとえば、これらは最低限やっておくべきだと私は思います。
- 部屋の温湿度を快適にする
- ベビーベッドの柵は必ずあげておく
- ベビーベッドに物を置かない
- 体温調節は寝具ではなく着るものでおこなう
室温は、冬期には20~25℃程度、夏期には外気より4~5℃低いぐらいが目安です。
東京都福祉保健局健康安全部環境保健衛生課
夏期は、同じ温度でも、湿度が下がると快適に感じます。エアコンを上手に使い、温度の設定を下げ過ぎないよう注意しましょう。
湿度は、50%前後が目安です。冬期にのどや肌の乾燥対策として加湿器を使用する場合にも、湿度が60%以上にならないようにしましょう。
セルフねんねを成功させたい気持ちはわかりますが、ここで焦りは禁物ですよ。
安心安全な睡眠環境をととのえて、赤ちゃんの命を守ることを何よりも優先してくださいね!
寝る前ルーティーンを決める
寝る前ルーティーンを作ることで、赤ちゃんが「今からねんねの時間なんだ」と分かりやすくなりますよ。
我が家の寝る前ルーティーンはこんな感じでした。時間・順番・何をするかは、あなたの生活スタイルや好みに合わせて決めてくださいね。
- 16:00〜17:00お風呂に入る
- 18:00授乳・離乳食
- 18:30照明を少しおとす・絵本を読む
- 19:00いっしょにねんねミニーちゃんをつけて就寝
ミニーちゃんは色んな音やオルゴール音が鳴るぬいぐるみです。私の産院では新生児室で使われていましたよ。こういうものはベビーベッドには絶対置かずに、ベッドの外に置きましょう。

うちはミニーちゃんの中にある「胎内音」(エコーで聴く心拍のような音)をタイマーで切れるようにセットして使っていました。
なるべく毎朝おなじ時間に起きる
朝起きる時間を毎日同じぐらいにすると、赤ちゃんは自然と夜も同じぐらいの時間に眠くなるので寝かしつけがしやすいんです。
朝はなるべく6時〜7時に起きるようにしましょう。
1日の中で活動の時間を細かく決めるのは難しいですが、起きる時間だけでも決めてつづけることにはメリットしかありませんよ。

まとめ
セルフねんねは、マスターできれば子育てママにとって大きな助けになることができます。
SNSでも「セルフねんねを始めてから夜通し眠れるようになった!」という体験談はよく見られます。
最初は大変に感じるかもしれませんが、前向きな気持ちでトライしてみましょう。
くり返しになりますが、セルフねんねのためのネントレをするときは、赤ちゃんの睡眠環境の安全面をしっかりととのえたうえで取り入れてくださいね!
- こども家庭庁『乳幼児突然死症候群(SIDS)について』
- YAHOO! JAPANニュース『セルフねんねって何?「赤ちゃんは一人で寝る」のが正解なのか』
- 東京都福祉保健局健康安全部環境保健衛生課『赤ちゃんのための室内環境』
- npr『Babies Sleep Better In Their Own Rooms After 4 Months, Study Finds』
- Basis『Informed Choices: Where Babies Sleep』
- Department of Health『Safe Sleep For Baby』
- National Library of Medicine『Where should babies sleep—alone or with parents?』

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