ネントレを始めようとすると、この「ジーナ式」ということばがよく出てきます。
初めて聞くと、ジーナって誰?ジーナ式ってなに?どうやるの?ってなりますよね。
ジーナ式ネントレとは、ジーナ・フォード氏(イギリスの元ナニー)が提唱する育児法です。

イギリスにはナニー(Nanny)というお仕事があります。ナニーは母親に代わって訪問や住み込みで子どもたちのお世話をします。
ジーナ式ネントレを取り入れて上手くいけば、赤ちゃんはひとりでねんねできるようになります!
ジーナ式ネントレは一般的にルールがきびしいと思われているようです。しかし、あなたの生活スタイルに合わせて調整できる部分もありますので安心してください。
ジーナ式ネントレについてしっかり学んで、毎日の寝かしつけの負担を減らしましょう!
ジーナ式ネントレとは?
ジーナ式ネントレとは、赤ちゃんの1日の行動がこまかく時間管理されたねんねトレーニングです。

イギリスで広まったジーナ式育児法は、日本では「ジーナ式ネントレ」と呼ばれることが多いのです。
ジーナ式ネントレでは、授乳・お昼寝・就寝の時間を決めたうえで、徹底して行動することが大事だとされています。
つまり、ジーナ式ネントレとは、赤ちゃんが暗くなると自然に眠ってくれるようになるためのトレーニングなのです。
ジーナ式ネントレはきびし過ぎる?
- ネントレ初日から赤ちゃん専用の部屋にひとりで寝かせる
- 決めた時間にのみ授乳・食事をさせる
- 朝7には必ず起こす
- 真っ暗で静かな部屋で寝かせる
- 寝かしつけて12分まで泣かせてOK
- 夜10時をすぎたら赤ちゃんと目を合わせない
- 授乳しながら寝かせない
- 赤ちゃんと同じベッドで寝ない
このルールは、たしかにきびしいと感じませんか?
正直、私もこのルールにカンペキに従うのはムリだと思いました。
うちには赤ちゃん専用の部屋なんてありませんし、うちの長女は毎朝5時には起きてしまう早起きちゃんでした。
家庭状況や赤ちゃんの性格に関係なく作られているこのルールが、きびし過ぎると感じる人は多くて当然だと思います。
ですが、すべて実践すれば子育てがきわめて楽になる方法らしいので、やってみる価値はあるかもしれませんね。
ジーナ式ネントレのやり方(やりやすい方法)
- 寝る環境をととのえる
- 授乳(食事)と睡眠の時間を細かく決める
- 赤ちゃんと親で寝る部屋を分ける
- お昼寝していい時間の上限を設ける
- 夜間授乳を減らす
寝る環境をととのえる
赤ちゃんが後々ひとりでねんねできるようになるためには、部屋で一人きりで寝ることに慣れさせる必要があります。
ひとりで寝かせるためには、まず安心安全な環境が大事ですよね。快適かつできるだけ静かで真っ暗な場所にしましょう。
窓の外が明るい場合は遮光カーテンを使うといいですよ。
赤ちゃんの睡眠習慣をはやく定着させたいのであれば、しっかり睡眠環境をととのえてあげてくださいね。
授乳(食事)と睡眠の時間を細かく決める
ジーナ式ネントレでは夜7時に寝て朝7時に起きると決められていますが、できるだけ従いながらムリのない範囲で調整してみてくださいね。
月齢 | 1日のトータル睡眠時間(h) | まとまって寝られる時間(h) |
---|---|---|
新生児期〜生後1か月 | 16〜18h | 2〜4h |
生後1〜3か月 | 14〜15h | 4〜6h |
生後3〜6か月 | 13〜14h | 8〜10h |
毎日同じスケジュールなら、赤ちゃんは次におっぱいを飲む時間(食事ができる時間)・寝る時間の見当がつくようになります。しだいに体内時計が整って、眠くてグズることがなくなってきますよ。
授乳(食事)・お昼寝・就寝の細かいスケジュールを決めて、定着するまでつづけましょう。
赤ちゃんと親で寝る部屋を分ける
ジーナ式ネントレでは、赤ちゃんがひとりで寝られるようになることを目標としています。
とはいえ、赤ちゃんを部屋に一人きりにするのは抵抗ありますよね。窒息などが起こらないように、顔が埋まるようなフワフワしたもの(毛布、クッション等)をベッドに置くのはNGです!寝具より、着るもの(スリーパー等)で体温調節するといいですよ。
生後6か月頃まではSIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクが高いので、赤ちゃんと同じ部屋で寝ることをオススメします。
生後6か月頃からジーナ式ネントレを取り入れるのであれば、寝る部屋を親子で分けて、赤ちゃんが泣いても添い寝や抱っこはしないで様子をみましょう。どうしても心配であれば、ベビーモニターがあると安心かと思います。

日本の住環境を考えると、部屋を分けて寝るのはむずかしいケースが多いと思います。部屋を分けなくても、うちの子たちはひとりで寝られるようになりましたよ!
お昼寝していい時間の上限を設ける
月齢・年齢にもよりますが、お昼寝は長くても2時間までが妥当です。少しかわいそうな気もしますが、寝ていても起こしてください。
2時間以上お昼寝させてしまうと、夜寝るべき時間に寝られなくなってしまうので気をつけてくださいね。
夜寝るべき時間に眠くなるように、お昼寝は2時間以内でマックス〜分までと決めましょう。
夜間授乳を減らす
夜間の授乳回数を徐々に減らしていくと、やがて赤ちゃんは1回も起きずに一晩通して寝られるようになります。
そうなるために、寝る直前の授乳はしっかり行なってくださいね。お腹が満たされていないと夜泣きで何度も起こされる羽目になってしまいます!
まとまって寝られる時間が増えてくる生後3か月頃から、夜間の授乳回数を徐々に減らしていきましょう。
ジーナ式ネントレの具体例(生後6か月頃の赤ちゃんの例)
下の表のように、1日のスケジュール表を作ります。
起床時間と就寝時間に合うように、授乳・お昼寝、その他の行動時間を決めてみましょう。
時間 | やること |
---|---|
7:00 | 起床 |
7:10 | 授乳 |
7:30 | お着替え |
9:30 | 離乳食・授乳 |
10:00〜12:00 | 外あそび |
12:10 | 授乳 |
12:30〜14:00/14:30 | お昼寝 |
15:00 | 授乳 |
16:00 | 入浴 |
18:30 | 授乳 |
19:00 | 就寝 |
決めた時間以外になるべく授乳したりお昼寝させたりしないのがベストです!
ジーナ式ネントレのデメリット
- ルールがきびし過ぎると感じる人もいる
- 行動をルーティーン化するのに時間がかかる
- 外出の予定が立てにくくなる
ルールがきびし過ぎると感じる人もいる
1日を通して予定どおりに行動するのは、慣れるまでは難しいと思います。
根気よくつづけようと自分では決めていても、赤ちゃんはそんなことおかまいなし!さらに、歳のちかい兄弟姉妹がいる家庭にとっては、時間どおりに物事をすすめられないことはよくあります。
なので、毎日決まった時間にごはんを食べたりお昼寝したりすることは、かなりハードルが高いかもしれません。
行動をルーティーン化するのに時間がかかる
赤ちゃんは少しの変化にも敏感に反応します。
たとえば、「普段はママがワンオペ育児をしているけど、パパがお休みの日は赤ちゃんが興奮してお昼寝しない!」というのは子育てあるあるですよね!
イレギュラーな時間に赤ちゃんがお昼寝をしてしまうと、その後のスケジュールがすべてズレてしまいます。赤ちゃん相手だと予定通りにはいかないことが多いので、ルーティーン化するには時間がかかるのです。
外出の予定が立てにくくなる
徹底した時間管理で規則的に行動することはとても難しいことです。
たとえば、電車やバスで遠くへお出かけしようものなら、決めた時間どおりの授乳やお昼寝はなかなか思いどおりにはいきませんよね。
イレギュラーな予定を立てるとスケジュール通りにいかないかもという考えから、外出の予定が立てにくくなるのは事実です。
ジーナ式ネントレのメリット
- 寝かしつけが時短かつ楽になる
- 赤ちゃんのニコニコ時間が増える
- 赤ちゃんが泣いている理由が分かりやすくなる
寝かしつけが時短かつ楽になる
決められた時間で寝たり起きたりすることで、ひとりでねんねできるようになる時期が早まります。
ルーティーン化された生活を続けると、赤ちゃんは寝る時間になると自然と眠くなります。また、「ベッド(布団)に寝かされると寝る時間」ということも分かってくるので、寝かしつけが実質必要なくなるんです。
今現在寝かしつけでエネルギーも時間も消耗している人にとっては、寝かしつけの負担が一気に解消しますよ!
赤ちゃんのニコニコ時間が増える
一晩通して寝られるようになった赤ちゃんは、しっかり睡眠がとれている状態です。
「寝る」「食べる・飲む」は人間の基本的欲求です。それらが常に満たされた赤ちゃんは、日中もごきげんでいられるのです。
日中ごきげんでいっぱい遊べたら、夜もぐっすり眠れるという良いサイクルができますね。
赤ちゃんが泣いている理由が分かりやすくなる
ルーティーン化された生活をしていると、赤ちゃんのお腹が空く時間と眠くなる時間が分かってきます。
つまり、その時間以外に泣いているときは、「お腹が空いている」と「眠い」以外の理由で泣いている可能性が高いですよね。
泣いている理由がしぼられると、あなたの不安は軽減されて赤ちゃんへの対応がスムーズになりますよ。
ジーナ式ネントレを始める準備
自分の生活をととのえる
上記のように、ジーナ式ネントレでは赤ちゃんを夜7時に寝かせて朝7時に起こします。
早寝早起きの生活は一日にして成りません。さらに、母乳育児を予定しているとしてあなたが偏食だと、いい母乳は出ません。母乳の良し悪しも、赤ちゃんの睡眠にかかわりますよ。
生活をととのえるには、ある程度時間がかかります。赤ちゃんの生活をととのえる前に、まずあなたの生活もととのえておきましょう。
お役立ちアイテムをそろえる
家の向きや日の出・日の入り時間などによって、月明かりや朝日で部屋が明るくなってしまうこともあります。街灯の存在も無視できませんね。
遮光カーテンがあれば、19時〜7時までかんたんに真っ暗にできますよ。
赤ちゃんの体温調節は、お布団でするよりもスリーパーでする方が安全とされています。また、「スリーパーを着る」=「寝る時間」と覚えさせることができますよ。
寝返りで顔に布団がかかる心配もないうえに、入眠儀式としても活躍してくれます!

「入眠儀式」とは、赤ちゃんに「今から寝る時間ですよ〜♩」と知らせるための行動です。「スリーパーを着せる」「絵本をよむ」など、自由に決めていいのです。
夜間の授乳やオムツ替えのとき、赤ちゃんを覚醒させたくないですよね。
できるだけ控えめでやわらかい光のナイトライトは、授乳後の入眠をさまたげにくい効果があります。
よくある質問
- Qジーナ式ネントレはいつ始めればいい?
- A
はじめるタイミングは、あなたが決めてOKです!
ジーナ式ネントレは、赤ちゃんが生まれてすぐにはじめることが可能とされています。ですが、産後2〜3か月はあなた自身も赤ちゃんとの新生活でいっぱいいっぱいですよね。
日本では、赤ちゃんが昼夜の区別がついてくる生後4〜6か月頃からネントレをはじめることがオススメされています。その時期がはじめやすいですが、生後6か月を過ぎても遅くはありませんよ。
- Qジーナ式ネントレのルールは全部まもらなくていい?
- A
全部まもる必要はありませんよ。ルールを忠実にまもろうとしてストレスや不安が増えては本末転倒ですからね。
「ジーナ式ネントレのルールを少し緩くして、うまくいったよ」という声は多く見られます。実際に、私もできる部分だけやってうまくいきましたよ。
ジーナ式ネントレを参考にして、あなたオリジナルのネントレ方法を考えればいいのです!
- Qジーナ式以外のネントレ方法はないの?
- A
ファーバー式というネントレ方法もありますよ。
大まかなやり方はジーナ式と似ています。寝かしつけの際に、分刻みで赤ちゃんを泣かせる時間を計測して、様子を見にいくたび1分以内に赤ちゃんの部屋から退室するなどの細かいルールがあるようです。
ジーナ式を参考にネントレをする人は多いようですが、どんなネントレ方法でも部分的に取り入れられるところはあるかもしれませんね。
まとめ
ジーナ式ネントレ方法は、赤ちゃんがひとりで入眠できるようになるためのトレーニングです。
トレーニングとはいえ、赤ちゃんも家庭の状況も十人十色ですよね。
この記事を読んんでいる時点で、あなたはすでに良く子育てをがんばっています!赤ちゃんの性格やあなたのライフスタイルに合わせて、可能な範囲でやってみてはいかがでしょうか。
成功したあかつきには、寝かしつけだけでなく子育て全般が楽になる生活が待っていますよ🎵
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